「いかなることがあっても戦争はしてほしくない」-長野県議会総務企画委員会での戦争体験者の意見陳述を紹介します

7月3日、やだネットなど、3団体が県議会に出した集団的自衛権の行使容認に反対する趣旨の請願は、県議会が採択した「丁寧な議論」を国に求める意見書をふまえ継続審査になりました。また、秘密保護法廃止請願も継続審査になりました。やだネット・よびかけ人の一人、田島隆さんの総務企画委員会での意見陳述(7月1日)の一部を紹介します。

戦争を推進したわが祖先

日清日露戦争以来わが一族は戦争推進の先頭に立ってきました。村に東郷元帥他の軍人をよび、村の人を動員して講演会を主催し、昭和小学校に松の苗木を植え「将軍お手植えの松」などと言ったほどです。

その結果は、息子4人のうち3人を軍人にしましたが、3人とも戦死しました。我が家では3人兄弟のうち2人が徴用され父親は強度の神経衰弱になって戻り、まもなく亡くなりました。叔父は中国東北部から沖縄に行き九死に一生を得て戻りました。私は戦地で何があったかを父に聞きましたが何もしゃべらずに死にました。

 

戦争は勝った側にとっても負けた側にとっても悲劇をもたらす

私は教員をしておりましたが、私の年代の教員はPTAの飲み会などの機会に直接戦争の話を聞く機会がありました。人望のあったあるPTA会長さんは中国での話をしました。

「おれが道を歩いていると、母親に抱かれた赤ん坊がやってきた。赤ん坊はおれの顔を見るとにっこり笑った。おれはその子を抱こうとしたが、母親は子どもを抱いて逃げようとした。俺は母親を突き飛ばし赤ん坊を奪って道に投げつけた。母親はその子の上に覆いかぶさったので、俺はその上から銃剣で突き刺した」「戦争っていうものはそういうもんだ」。

戦争は勝った側にとっても負けた側にとっても悲劇をもたらします。私はいかなることがあっても戦争だけはしてほしくありません。

安倍政権は、「集団的自衛権」を認めようとしていますが、いかに条件をつけても、その文章の修飾語を取り去るならば「総理大臣が国民のために必要だと判断すれば、自国が攻撃されなくても、海外派兵をして先制攻撃することが出来る」ということにならざるを得ません。

 

「日本には憲法九条がある」―誇るべき日本の姿

千曲市の西村陽子さんは中東で子ども支援をしていますが、中東での日本の評価は極めて高いそうです。それは「日本には憲法九条がある」ことを多くの住民が知っているからだ、と教えてくれました。アフガンで水路を作っている中村哲さんも同じことを言っていました。日本人は丸腰でいるから襲われないのだそうです。

私はこういう日本は誇るべきだと強く思っています。こういう日本の姿を駄目だと思うことこそ自虐史観だと思います。