山田火砂子監督、女優・磯村みどりさんが映画「望郷の鐘―満蒙開拓団の落日」で伝えたかったこと(2014年12月6日、戦争やだね長野大集会での挨拶)

 私が一番頭にきたのは「神国日本神風が吹く」と嘘ばっかり教えられて。負けるはずはないんだと政府の嘘を信じ込まされて。純粋であるほど嘘を信じちゃうんですよね。

二度と戦争のない国をつくってほしい。私たちは嘘ばっかりつかれて、鍋釜供出して、うちは丸焼けボーボー火の車でパンツ一枚ない生活で、勝てるわけないじゃない!鍋釜まで国民から取って勝てると思う?それでも勝てると思ったんですよ、私たち。

だから映画の冒頭で訴えたんですが、騙されることを見破る力は大変に面倒くさいんですけど、みなさん真実を見極めてほしい。それを子どものときからわかってほしいと思って「望郷の鐘」という映画をつくりました。

戦争は二度と繰り返してほしくない、平和な日本であってほしい、そう思ってこの映画をつくったんで、平和日本をいつまでも維持しようと思ってください、よろしくお願いします。

(映画「望郷の鐘」・山田火砂子監督)


私たちにできることは、こうした映画に出演すること演じること、映画をつくること、みなさんに観ていただくこと。そして観ていただいた皆様が、心にしっかりもっていただいて、騙される私たちではなく、ちゃんと見極める知恵、心をもっていただきたい。

(集会のチラシの)最後にあります「戦争に行くな!選挙に行こう!」。選挙ってとっても大切だと思いますよ。選ぶ私たちにも責任がある。政治家が悪い、あれが悪い、これが悪いと言って愚痴を言うのは簡単でございますが、そうではなくてそのもとをつくっている私たちが、一人ひとりがしっかりした信念をもっていなければ、日本という国はよくならないんでないかなあ。これは若い人の責任ではなく、ここにお集まりのみなさんと、年を重ねた私たちの責任だと思います。若い人が悪いんではなく、私たちの責任。その責任をしっかりと果たしましょう。

(女優・磯村みどりさん)