「傷つき 傷つけたくない」-この思いを大切にして戦争やだねを本物に(中村文美さん・29)

【傷付き、傷付けたくない。】

「戦争やだね」と言えば、誰もが頷く。

じゃあ、本気で「戦争を無くす」には、どうしたらいいだろう?

「戦争やだね」と言うとき、そこにはまず

「傷付けられたくない」という思いがある。

でも、果たしてその気持ちだけで「戦争は止められる」だろうか?

「傷付けられたくない」それだけでは、

「傷付けられないために、先に傷付ける」ことを、抑えることはできない。

つまり、自らが戦争を始める側、「加害者」になってしまうのだ。

それを避けるためには、「傷付けられたくない」という、「被害」を恐れる心だけでは、足りない。

「傷付けたくない」、その想いもまた、戦争抑止には、必要なのではないだろうか。

傷付けたら、必ず傷付け返される。

傷付けられることに、文句は言えなくなる。

ヒロシマ・ナガサキのような被害の歴史、

満蒙開拓団などの侵略のような加害の歴史。

どちらも忘れてはならない。

どちらも戦争のもたらす悲劇である。

【傷付き、傷付けたくない。】

この言葉を、高く掲げて、

戦争やだねを、「本物」にしていきたい。

(中村文美さん・29)