昨年6月の「長野市議会の議場に国旗及び市旗の掲揚を求める請願」(提出・日本会議長野北信支部)の市議会での採択について

昨年6月の長野市議会には、日本会議長野北信支部より「長野市議会の議場に国旗及び市旗の掲揚を求める請願」が提出。自民系の新友会、公明、民主系の改革ながの、無所属・小泉市議、無所属・手塚市議の賛成多数で採択されました(反対は共産、社民系の市民ネット、無所属・西村市議)。


市議会の総務委員会では、日本会議長野北信支部の幹事である中嶋君忠さんが次のように意見陳述しました。「自虐的教育が行われ、正しい歴史認識が浸透していないことは憂慮すべきことである。国家の主権が脅かされている中、国防意識、国家意識を高めるために、長野市議会議場に日の丸を掲揚してもらいたい」。


市民ネットの布目市議は、本会議で「こうした主張で日の丸の掲揚を進めようとするが故に、日の丸に軍国主義の復活を憂慮する、こうした国内外の声が絶えないんではないでしょうか…本請願に賛成をされた委員の皆さん、そして、これから賛成をしようとされている議員各位に申し上げたいと思います。市議会議場を国威発揚の場にしようとする請願団体の発想、意志、意見、意図を含めて、願意を酌んで採択したことになるということを忘れないでもらいたいと思います」と反対討論しました。


1999年の国会で小渕恵三元首相は、「国旗・国歌の法制化に当たり、国旗の掲揚に関し義務付けなどを行うことは考えておりません」という答弁をおこないました。また、東京都教育委員会の委員の一人だった、米長邦雄氏(棋士)が2004年年秋の園遊会に招待された際、明仁天皇に「日本中の学校において国旗を掲げ、国歌を斉唱させることが私の仕事でございます」と発言、これに対し天皇は、「やはり、強制になるということではないことが望ましいですね」と述べられました。

共産党の佐藤市議は本会議でこれらの話をひきながら、「国旗、国歌については、強制や上からの指示ではなく、自らの思想、信条、良心の自由に基づいて国民一人一人が自ら考え、自由にその扱いを判断できることが最も望ましい対応と言えます。こうしてこそ、日本は本当の意味で民主主義国家となったことを意味するものと言えます」と反対討論をおこないました。


この請願が出されたのは、安倍首相が安倍首相が集団的自衛権の行使を容認する動きを加速させていた時期でした。


5月23日(土)午後2時~もんぜんぷら座801で、「地方自治と国・日の丸を問う集い」(主催:同実行委員会)があります。曽我逸郎・中川村長の講演もあります。