戦争はペテンからはじまる

みなさん、戦争はペテンから始まります。

安部総理は国民に訴えています。

「北朝鮮からミサイルが飛んでくるかも知れない。中国が尖閣諸島を取りに来るかも知れない。世界はテロに脅かされている。我々に危険が迫っている」と。

ナチスドイツのヘルマン・ゲーリングがこう語りました。

「もちろん、普通の人間は戦争を望まない。しかし、国民を戦争に参加させるのは、つねに簡単なことだ。国民には我々が攻撃されつつあると言い、平和主義者を愛国心に欠けていると非難し、国を危険にさらしていると主張する以外には、何もする必要がない」

私たちは、もう騙されてはなりません。

五族協和・満蒙開拓の美名に踊らされた過去を、二度と繰り返してはなりません。

アジアを見下し、日本人は優秀なのだとおごり高ぶり、自己陶酔して戦争になだれ込んでいった歴史を、しっかりと心に刻みましょう。

韓国人や朝鮮人を差別し、あざけり、敵愾心をあおる風潮がなぜなのか、誰がそのような運動を起こし、誰があおりたて、誰が応援しているのか、その理由と背景は何なのか、安倍内閣のメディア支配、メディア操作を許さず、目を見開き、耳を澄まして、真実と嘘を見分ける力を、私たちは養いましょう。

元自衛官・泥憲和さん

 

「幸せになれる」という国策のもとで、正しい情報が知らされないまま渡った満州で待っていたのはソ連侵攻と死の逃避行だった。国の言う通りに追随していたら、自治体は、戦争荷担の、侵略の先兵になってしまう。それが満蒙開拓団に多くの人々を送り込んだ長野の村々の教訓だ。自治体は住民のためにどうしたら良いのかを一生懸命に考えなくてはいけない。

阿智村前村長・岡庭一雄さん

 

私が一番頭にきたのは「神国日本神風が吹く」と嘘ばっかり教えられて。負けるはずはないんだと政府の嘘を信じ込まされて。純粋であるほど嘘を信じちゃうんですよね。

二度と戦争のない国をつくってほしい。私たちは嘘ばっかりつかれて、鍋釜供出して、うちは丸焼けボーボー火の車でパンツ一枚ない生活で、勝てるわけないじゃない!鍋釜まで国民から取って勝てると思う?それでも勝てると思ったんですよ、私たち。

だから映画の冒頭で訴えたんですが、騙されることを見破る力は大変に面倒くさいんですけど、みなさん真実を見極めてほしい。それを子どものときからわかってほしいと思って「望郷の鐘」という映画をつくりました。

戦争は二度と繰り返してほしくない、平和な日本であってほしい、そう思ってこの映画をつくったんで、平和日本をいつまでも維持しようと思ってください、よろしくお願いします。

映画「望郷の鐘」監督・山田火砂子さん

 

権力者は、不都合な真実を隠す。メディアを支配、教育を支配、そして歴史の真実を覆い隠す。それにしたがう人々に金をばらまくーーいまは、戦前と同じそんな方向に進んでいる。

殺人兵器を作る軍需産業が活気づいていることは、殆ど報じられない。

その先に待っているのは、権力者は安全なところにいて、とくに若者が他国民を殺し、殺され合う戦争だ。

弱腰だと武力で他国にやられる? 待ってくれよ、そういう状況を作りださないために人間には口がある。言葉がある。外交がある。

だが、幸いなことに、現代の民衆はよその国との文化的人的交流、経済的交流がかなり友好的に盛り上がっていることだ。怖いことは、権力者がそれを無視して進むことである。

映画「望郷の鐘」原作者・和田登さん

 

この数年、「嫌韓嫌中」といわれるような、隣国をあらかさまに蔑視したり敵意を煽ったりする本が書店の棚で目立つようになってきました。日本の負の歴史を否定し、それらを「反日」の国やメディアの謀略のように語る本や雑誌も大量に出版されています。

言うまでもなく、表現の自由、出版の自由は民主主義に不可欠です。しかし、こうした本が大量に出版され、書店の棚を埋め尽くすことがどんな結果を招くか、私たちは歴史の経験から想像できるのではないでしょうか。

この風潮と、秘密保護法や集団的自衛権の行使容認といった安倍政権の暴走は決して無関係ではないと思います。「日本が狙われている」といった被害感情や過剰な防衛意識は、民主主義のルールを無視した政治を正当化するのに便利です。本来なら人権を侵害するヘイトスピーチを予防し、相互理解を呼びかけるべき政府が、それを利用しているのです。しかし、為政者が民族的憎悪を煽れば、やがてはそれを制御できなくなることも歴史の教訓です。

私たちは、どこかでこの流れを止めなくてはなりません。それは私たちの子どもや孫の世代のためであると同時に、無謀な政治の犠牲となった祖父母たちへの責任でもあります。

「ヘイトスピーチと排外主義に加担しない出版関係者の会」事務局・岩下結さん


ベトナム戦争について、米国防長官だったマクナマラ氏が回顧録で、なぜアメリカが敗北したかを分析し、ベトナムの文化や民族を理解できなかったことだと書いていますが、私は戦争というものは相手を理解しないというところが大きな原因になっているというように思います。

日本の戦時中、私は沖縄人でありながら、朝鮮人を差別したり、アメリカ人については「鬼畜米英」と赤い顔してツノが生えたポスター、今でも私、覚えていますよ。そういう相手を理解していないことが戦争につながる。ベトナム戦争のときでも、アメリカ人はベトナム人は人間より落ちる土人、目がつりあがってですね、もう人間を人間として思わないで相手を殺していく。

戦争をなくすためには相手の国の一人ひとりの人間にはそれぞれの人生があるんだと、一人ひとりの人間を理解していくことです。軍事力では解決できません。軍隊は抑止力にならない、戦争をなくすためには地球上から軍隊をなくすことだと、軍隊がある以上戦争は起こるというように思っています。

報道カメラマン・石川文洋さん