【長野】人口9000人の町に300人が集った、戦争を語り継ぐ「聴こう!石の鐘のメッセージ」

長野県の北部、人口約9000人の信濃町で、18日、戦争を語り継ぐ「戦後70年 聴こう!石の鐘のメッセージ」を開催、300人が集まりました。

 

当日の様子は信濃毎日新聞、毎日新聞、しんぶん赤旗が報道、SBCテレビ(信越放送)、NHKラジオ「先読み夕方ニュース」では特集が組まれました。主催は信濃町9条の会、飯綱町「憲法9条を守る会」、憲法かえるのやだネット長野でつくる実行委員会(後援:信濃町、信濃町教育委員会)

浄土真宗本願寺派長野別院で貼られているポスター
浄土真宗本願寺派長野別院で貼られているポスター

最初に横川正知町長に祝辞をいただきました。

第1部「戦争を語り継ぐ」では、元信濃町議会議長、元全国町村議会議長会会長の中沢則夫さん(93)と小林一茶の菩提寺、浄土真宗本願寺派明専寺の月原秀宣副住職(45)のトーク。軍隊経験がある中沢さんは、安保法案廃案の意見書可決に病床から町議たちに電話をかけるなど請願者として奔走。「戦友」の母親に遺品を届けたとき、「戦争で命を落とすためにこの子を産んだわけじゃない」と一緒に泣き崩れたエピソードを紹介しました。

 

月原さんは自身の平和活動を通して実感した憲法9条の価値にふれながら、「中沢さんのような戦争体験者の思いを受け継いでいきたい」と決意を述べました。

第2部は「石の鐘の物語」。信濃町にある浄土真宗本願寺派称名寺には、アジア太平洋戦争で供出された梵鐘の代わりに「石の鐘」を73年間下げ続けています。「石の鐘」は「二度と戦争で帰ってこない命の証」です。

和田登さん(児童文学作家、黒姫童話館長)、清水まなぶさん(シンガーソングライター)が、「石の鐘」と称名寺住職の佐々木五七子さん(86)を題材にした新作をそれぞれに発表し、作品に込めた思いを話しました。

当日参加された山中速人さん(関西学院大学教授)のブログから

゛長野は教育県だという。その真面目さと勤勉さは、軍国主義を浸透させる上でも、好都合だったのかもしれない。満蒙開拓義勇軍の志願者を集めるために、その勤勉さは効果を発したのだろうか。けっして豊かではない、山村のすみずみから多くの純真な少年たちが、国家の掛け声に呼応して、大陸に向い、果てた。それらを送り出した側の人々の悔恨の思いは、筆舌につくせないものだったろう。

 

戦後、その反省の上に、平和と非戦のための教育が長野の人々の心のヒダの深くに浸透してきたのだと、集会に参加して感じた。戦後の平和憲法、とりわけ憲法9条は、これらの人々にとって、かけがえのない到達点であり、なにがあっても守り通すべき楔なのだろう。

このようなユートピア的な非戦論が、今日世界の中で、どのような現実的有効性を発揮しうるかについては、「9条で国は守れない」と疑問をなげかける人もいるに違いない。しかし、このようなユートピア的非戦論が、まだ人々の心の中に深く刻みこまれていることが、国家権力の安易な軍事的冒険に対して、根源的な防塁となっていることを忘れてはならない。

 

そもそもユートピア的非戦論を訳知り顔に笑う人たちだって、どれだけ世界の現実を知っているといえるのか。それは、かつての勇ましい帝国日本への危険な回帰願望を今風の言説に包んでいるだけかも知れない。

国際貢献の名の下に、自衛隊を海外派兵し、武力行使できるかつての国家へとこの国を回帰させようとする為政者たちの野心の前に、北信の素朴な村人たちのユートピア的非戦論は、やさしさと力強さをもって立ちはだかっている。”