「国の主権者は国民で、自治体の主権者は住民だ。決定権は私たちにある」

「自治体には政府が決めたことに反対しにくいという風潮があるが、間違いだ。国の主権者は国民で、自治体の主権者は住民だ。決定権は私たちにある。国家が決定するわけではない」「私たちは憲法が定める地方自治の理念をどれほど理解しようとしてきたか。地方自治は、戦争遂行を容易にした大きな原因が中央集権にあると捉え、国民主権を実効あるものにするため、戦争放棄とともに盛り込まれた切り札だ。単なる制度や組織ではなく、住民が築く民主主義運動だ」

(岡庭一雄・前阿智村長、信濃毎日新聞2015年8月5日付)


新潟県知事選の結果もふまえ

新潟県知事選の歴史的な結果もこの観点からみるとなおさら感慨深いものがあります。当初の力関係は、米山陣営3:森陣営7からのスタートだったという情報もあります。

 

原発立地県における原発の存在はくらしや雇用に密接に関わる問題です。再稼働の是非を大争点に米山隆一知事が誕生というのは本当にすごいことだと思います。まして泉田知事の不出馬などいろいろあってからの出馬です。再稼働反対7割強の世論の力、市民と野党の共闘の進化が選挙をつくったということです。

 

長野県は満蒙開拓団の悲劇の歴史を刻んでいます。参院選において憲法問題が最大の争点になったことは必然だと思います。

大きな話題になった栄村・軽トラデモ、阿智村デモ。元栄村長の高橋彦芳さん、前阿智村長の岡庭一雄さんが先頭に立ちました。その様子をツイッターで見て「先を越された」と言ったのが、中川村のデモの先頭に立った曽我逸郎村長です。

 

地方自治体が国の悪政に追随するなら、地方自治体は戦争加担、侵略の先兵になってしまうということが、満蒙開拓団の歴史の教訓です。

国政と同時に、地方政治に目をむけることの大切さを改めて痛感します。