国民の不断の努力が実を結んだ この勢いで検察庁法改正廃案へ

今年1月31日,政府は,2月7日で定年退官する予定だった東京高等検察庁検事長の黒川弘務氏について,これまで一貫して「検察官には国家公務員法による定年延長は適用されない」としてきた解釈を変更し半年後の8月7日まで定年を延長させることを閣議決定しました。検察庁法に違反する疑いが強くあるにも関わらず、2月18日の閣議で,定年を延長した黒川弘務氏について,検察トップの検事総長に任命することは可能だとする答弁書を決定しました。

内閣が,その政治的判断によって,検事総長を指名できることは、これまで検察が至上命題としてきた「検察の独立性」が,委縮と忖度により事実上三権分立を崩壊させることになります。

閣議決定にお墨付きを与える為に今国会に提出した検察庁法改正案はコロナウイルス感染拡大にともない発令された緊急事態宣言の中、多くの国民の目に耳に届きました。

 

全国38の弁護士会がきびしく批判する会長声明を出したことが13日、共同通信の調べで分かっています。

又、元東京地検特捜部の在籍者38名の「将来に禍根を残しかねない改正を看過(かんか)できない」として、再考を求める連名の意見書を提出。過去に幹部検察官の定年を延長させる必要性が顕在化(けんざいか)したことは一度もないとした上で「法改正は不要不急と言わざるを得ない。改正を急ぐことは検察に対する国民の信頼をも損ないかねない」と強調しました

松尾邦弘元検事総長(77)ら検察OBも法務省に対し、検察官の定年延長を可能とする検察庁法改正案に反対する意見書を提出しました。

自民党内部からも石破議員、岸田議員、船田議員、泉田議員から強行採決に疑問の声があがっています。

又、疑問をもった多くの国民をはじめ、俳優、作家、映画監督、漫画家、ミュージシャンら各界著名人も「#検察庁法改正案に抗議します」というハッシュタグをつけて続々ツイートを投稿。前例のない500万を超える大規模ネットデモの様相となりました。

その他、国会前での密にならないように配慮したデモ。「検察法改正に賛成するなら、もうあなたの政党には投票しません」と言う自民党、公明党への電話などが集中して行われ、昨日、ついに検察法改正案は今国会では見送られる事になりました。

継続審議ですので油断はできませんが、憲法に書かれた不断の努力が実を結んだ素晴らしい前例をつくる事になりました。

この勢いで廃案に追い込みましょう。

最後に歌手の小泉今日子さんの今日のツイートを一言。

「小さな石をたくさん投げたら山が少し動いた。が、浮き足立ってはいけない。冷静に誰が何を言い、どんな行動を取るのか見守りたい。」