「軍隊は民間人を守らない」ー沖縄戦の集団自決の惨状と背景(元戦場カメラマン・石川文洋さんの講演会より)

親が子どもを殺す、夫が妻を殺すという沖縄戦の集団自決はあまりに辛いことで、この惨状を経験した人たちはなかなか口にしたくないことでした。2007年に高校の教科書の検定で、集団自決に日本軍が関わってきたことを、文科省が「高校の教科書から削れ」と言ってきたことをきっかけに、「本当のことを伝えなければ」と、話しはじめるようになりました。

なぜ集団自決が起こったか。日本兵士たちから、アメリカ兵に捕まったら「女性は暴行した後にひどい殺され方をする」「子どもは地面にたたきつけて殺される」「男性も股を咲かれたり、戦車に轢きつぶされる」などのデマが飛び、その恐怖感が住民に広がりました。

また、兵士たちに染み込んでいた「生きて虜囚の辱めを受けず、死して罪過の汚名を残すこと勿れ」、捕虜になるよりもいさぎよく死になさいという戦陣訓が、兵士から沖縄人に広がりました。戦陣訓は1941年に東条英機陸軍大臣が軍に伝えました。戦陣訓は陸軍大将の今村均のグループがつくったと言われていますが、島村藤村も念入りに手入れをしました。

 

渡嘉敷島でお父さんに頭を鍬で打たれた女性は、死体のなかで息を吹き返しました。沖縄では、集団自決のことを書いた本がたくさんあります。そういうものを安倍首相は読んだことがあるんだろうか?私はないと思います。

読谷村のチビチリガマ、ここでも集団自決がありました。2歳、8歳、10歳、13歳、15歳、そして42歳のお母さん。子どもは自決できないから、親が子どもを殺したわけです。沖縄の言葉で『命どぅ宝』、命こそ宝という言葉がありますが、死んでしまえばなにもできない。生きていれば、いろんな人生があっただろうにと、とても残念に思います。

沖縄では、日本軍に殺された民間人もたくさんいるんですけど、軍隊というのは民間人を守らない。戦争になったら民間人を守らない。満蒙開拓団についてもそうでした。関東軍は開拓団を置いて逃げてしまったわけです。あの後の苦しみというものも考えたときに、こういうことを書いた本を安倍政権の人たちには読んでもらいたい、ぜひ読ませたい。安倍首相は、侵略の定義を「国際的に定まっていない」と言いましたが、そういう人が首相になっているから困る。侵略というのは、はっきりしている。軍事力を背景にして、親日本政権をつくる、植民地にする、軍事力を背景にして自分の都合のよい国にしていく、これは侵略です。

 

4人に1人が亡くなった沖縄戦、沖縄戦は日本軍がいたから起こったわけです。はっきりしています。日本軍がいなければ、アメリカが上陸してきても、大勢の人間が殺されたり、文化財が破壊されたり、島が破壊されたり、そういうことはなかったわけです。今度、沖縄が破壊されたり、沖縄戦のようなことが起こるとすれば、それは基地が強化されるときです。辺野古新基地は普天間基地の危険性を除くためではありません。負担軽減ではなく、強化です。

 

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コメント: 1
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    相良 芳恵 (月曜日, 03 12月 2018 21:31)

    石川さんの講演は、説得力があります、いつもは、静かな文洋さんですが、ベトナムの前線で命を懸けて、現状を伝えてくれる、反面カメラを通して子供たちの訴えかける瞳、的確に捉え表現されている。