あきらめてしまうことは、「戦争のできる国」を次の世代に手渡すことになる(阿智村で子ども3人を育てる森下さん)

皆さん、こんにちは。森下ともみといいます。


私はなんの肩書きも持たない、ただの主婦です。今日は、子ども3人を育てる一人の母親として、お話させてください。


私は学生の頃から、新聞を読むのが好きで、社会問題にはある程度目を向けているつもりでいました。その一方で政治には無関心な、今の日本ではごくごく一般的な市民の一人でした。でも、あるときから「社会問題や自分の生活は、政治と切り離せない」ということに気がつき、市民運動に関わるようになって、6年くらいになります。この間、日本社会はものすごい勢いで、「戦争のできる国」を目指して歩みを進めてきました。ただの主婦でしかない私が、今こうしてここに立って発言しているのは、自分の子供たちが「戦争に巻き込まれるような社会になってほしくない」との思いからです。


私の世代は、生まれた時から「平和がそこにあるのが当たり前」のような気がしていて、これまで政治を語ることを避けてきました。でも、(今日もたくさん若い世代の方がここに集まってくれていますが)平和な世の中を維持していくためには、黙っていてはいけないことに、ようやく若い世代も気づき始めました。


2011年の震災以降、原発反対の声が全国に広がりました。それでも、先日、原発は再稼働してしまいました。「辺野古に基地を造らせない!」と座り込んでも、(今は一時的に中断しているとはいえ)信じられないような強行工事を、政府は推し進めてきました。もしかしたら、私たちがこうして声を上げても、戦争法案は9月に成立してしまうかもしれません。でも、これだけは、絶対にあきらめてはいけない。あきらめてしまうことは、「戦争のできる国」を次の世代に手渡すことになるからです。


安倍首相がよく口にする「積極的平和」の提唱者で、「平和学の父」であるノルウェーのヨハン・ガルトゥングさんが、先日来日されました。ガルトゥングさんは沖縄の辺野古を訪れたそうです。辺野古での座り込みは、もう11年も続けられていることを皆さんご存知でしょうか?「新しい基地は絶対に造らせない。戦争は2度とやってはいけない」と座り込む人々を前に、ガルトゥングさんは、こんなスピーチをされたそうです。「ここにいる皆さんこそが、日本の民主主義そのものです。時間はかかるかもしれないが、望みを成し遂げることができでしょう。」こうおっしゃったそうです。私たちには、世界の良識ある人々がついています。

どうか皆さん、戦争法案を廃案に追い込むまで、あきらめないで一緒に声を上げ続けていきましょう!

(8月26日、阿智村でおこなわれた戦争法案送り火集会での発言)