足元に小さな拠点をつくり、広げていきたい(安保関連法に反対するママの会信州)

“ 「安倍政権に物申す。ここ信州から物申す」。軽快なリズムで始まる「信州ママラップ」(仮称)は、「安保法案無理やり可決?世論は反対多数だYO!」と、国会での政府、与党の対応を批判する。「大事な子どもの将来が気になって家事がはかどんない」と母親の目線で抗議。歌詞には方言を使い、お年寄りも参加した阿智村などでの「村デモ」の様子も盛り込んだ”

信濃毎日新聞2015年10月18日

ママの会信州の活動について

戦争のない国、世界を目指すのならば大きいところも大事だけれど、まず自分の立っている足元からきちんとしていくことが大切だと感じます。

国政だけでなく、私たちの生活により身近な問題の多い市政や県政にも関心をもって、市議会や県議会の傍聴などにも積極的に足を運んでいきたいと思っています。

一見、安保法や改憲などとは無縁の話に思えますが、特に私たちママの一番の心配である子ども達がこれから受けることになる教育問題などは市政と密接な関係にあります。

子ども達がこれからこの町でこの県でこの国で、どんな教育を受けていくのか、政治とおなじく見つめていかなければと思います。

 

私たちは、ママです。母親です。一家庭の主婦です。毎日は早朝のお弁当作りからはじまり、夜は子どもを寝かしつけながらつい自分も寝てしまう、息もつけないほどめまぐるしい家事や育児や仕事などの日常をこなすことで精いっぱいです。

だけど、そんなに忙しくても子どもたちへの愛情は忘れていない。いつでも自分の家族がどうしたらよりよく幸せに暮らしていけるのか、どうしたら子ども達にあたたかい心を与え育てられるのか、考えながら過ごすなかで、どうしても譲れない子どもの命と笑顔だけは、まもっていこうと決めて、行動しています。

ひとをころすのに慣れてしまった人の心は死にます。体は生きていても心は生きていません。

 

あるママメンバーのスピーチの言葉です。

「ママたちは、わかってしまったんです。

『ウチの子どもはころさせない』では、平和を守れないことを。

『ウチの子ども』を守るかのように聞こえる決まりごとがあったとしても、『ウチの子ども』が誰かの子どもをころすことになるかもしれない。それは、回り回って、『ウチの子ども』がころされることにつながりかねません。『ウチの子ども』じゃ足りないんです。『だれの子どももころさせない』決意が必要なんです」

 

また、別のママメンバーは、戦争体験談を聞いたのちに、こうスピーチしました。

「贅沢ではない、けれど家族の笑顔があり自然に囲まれた暮らしの中に入り込んだ 戦争。

おおいぬのふぐりも、はるじおんもあの頃も今と同じように春になれば咲いていたのです。 

今、日本は大きな分かれ道に立っていることを知ってください」

知っている人は知らない人たちにこれからどうして知ってもらえるのか、考えてもらえるのか。

少しずつでも確実に、輪を広げていくこと。これがずっと私たち一人ひとりのいちばんの課題で、続けていかなければいけないことだと思っています。

 

活動をするにあたっての困難も少なくありません。

私たちは「ママの会」のメンバーである以前に、子ども達の母親であり、家庭の主婦です。

一番は、何よりも子どもや家族との生活。そしてその妨げになる活動をしていては、本末転倒になってしまうと考えています。また、家庭内で夫や家族にその思いを理解してもらえず、顔や名前を表だって出せないメンバーや、家庭の事情で活動に参加できないメンバーもたくさんいます。

私たちがとにかく決めていることは「子ども、家庭最優先」です。ママの会信州に代表者がいないのもそのためです。

小さな子どもは急に体調を崩したりすることも多く、予定していた催しの当日朝になって突然行けなくなってしまうことも多々あります。そんなときにメンバーがお互いにカバーし合える、誰かが都度いつでも代われるようにする、そしてそれができないと私たちママは活動が続けられません。

子どもや家庭の事情でどうしても無理なときは違うメンバーが中心になってできる。皆が誰か任せにしてしまわず、自分のこととして考えて行動する、それが民主主義の理想的な形でもあるのではないかと思っています。