「私たちの住む阿智村は、満蒙開拓団の歴史から多くの教訓をまなぶ、戦争の悲惨さや愚かさを後世に伝える使命を負っています」

岡庭一雄・前阿智村長「地方自治、反戦の切り札」(信濃毎日新聞2015年8月5日付)

“下伊那郡阿智村で7月17日に安保法制に反対する集会とデモ行進が行われた。私は約130人の住民を前に「今われわれが闘えなくては日本の未来はない」と訴えた。「(住民に)二度と赤紙を送らない」と話す村職員や、「満蒙(まんもう)開拓を繰り返さない」と言う住民がいた。

 自治体には政府が決めたことに反対しにくいという風潮があるが、間違いだ。国の主権者は国民で、自治体の主権者は住民だ。決定権は私たちにある。国家が決定するわけではない”

 

“私たちは憲法が定める地方自治の理念をどれほど理解しようとしてきたか。地方自治は、戦争遂行を容易にした大きな原因が中央集権にあると捉え、国民主権を実効あるものにするため、戦争放棄とともに盛り込まれた切り札だ。単なる制度や組織ではなく、住民が築く民主主義運動だ。

 われわれは今、国の将来を左右する施策の是非を問われている。判断の羅針盤である憲法を、あらためて自分のものにする努力が必要だ”

 

8・26戦争法案反対!阿智村デモには、人口6000人の村に140人が集まりました。

「家族思いのお父さんが・・・」「優しかった息子が・・・」、戦場に行けば人を殺し、殺される。国家間の争いのために犠牲になっていい命など、一つもありません。それは日本人だけではありません。戦争は今日明日に突然始まるものではありません。平和な日常が続く中で、国民の気づかないところで周到に準備され、気づいたときには後戻りできなくなっている、それが戦争です。政府の暴走を止められるのは、私たち国民一人ひとりに他なりません。

長野県は国策の満州国建設の、全国でも群を抜いて約3万3千人余りの県民が村を上げて開拓団として、満州に渡りました。特に阿智村のある飯田・下伊那は8300人余と県内最多です。校長の指示のもと担任の先生が説得し青少年義勇軍となった生徒も含まれていました。「幸せになれる」という国策のもとで、渡った満州で待っていたのはソ連侵攻と死の逃避行でした。