前川喜平さんのお話から(2018年3月21日「親・子・みんなで考える 勉強ってなに?憲法ってなに?」、長野市内)

・「幸せに生きていくために学ぶ」「自分の頭で考えることが大事で、常に疑問を持っている必要がある。自分で考えることに関して自分に質問してみることも大事」

・「頭がいい人は『自分で考える人』のこと。教科書や人から教わったことを覚えているだけの人は「覚えが良い人」「記憶力のいい人」。今の官僚には「記憶力のいい人」が多い」

・「勉強という漢字は勉める、強いると書く。つまり非常に苦しい、きついという意味になる。それに対し学問と言う漢字は学ぶ、問うと書く。同じ学ぶという意味で使うならば、学問と言う字はとても適した言葉、漢字と言える」

・「歴史を学ぶことで今を見つめ直し、現在の生き方を学べる。理科は幸せに生きていくためには必要。放射能も添加物も知らないと身を守れないこともある」

・嫌いな言葉は「偏向」「反日」「自虐」

・「『宿題をやらなくても100点をとれるのですが?』という質問を先生にして、真剣に話し合ったらよい」

・「国を縛っておくのが憲法。国民をいじめたり、戦争にかりたてないようにしたりするもの」「日本国憲法は人類普遍の原理。共通に大事にしないといけない考え方」

・「社会権とは国が国民にしなければならないこと、生活保護であったり教育など。自由権とは国からは国民が縛られないこと、表現・言論の自由や結婚の自由など」

・「憲法を勉強していない人が、憲法を勉強していない人に、憲法改正を提案している。非常に危ない」「憲法を改正するには、まず憲法をよく学ぶこと」

・「憲法を失うと、国という魔物が台風のように大きくなり、国民を巻き込む。国民は国に従えという道徳を押し付けてくる。今もなりかけているから、注意してください」

・「道徳の教科化は極めて危険だが、『主体性のある子ども』に育てるには教師が『主体的』でなければならない」

・「18歳選挙権が始まって、憲法の学習はまったなし」「18歳選挙権で、文科省も総務省も選挙の仕組みだけあわてて指導するガイドブックを配った。本来、主権者教育というのは、社会のあり方を自分で考え、議論して、社会の課題を見いだすことが大事」

・「授業への介入は前代未聞。教育基本法が禁じる不当な支配に当たる」

・「文科省に問い合わせた議員は、とても偏った思想の持ち主。文科省の役人が政治家の恫喝に負けてしまった。跳ね返すことはむずかしくても、かわさなくてはいけない。情けない」

・「総理や官房長官だけでなく、官邸の周りをとりまく『官邸官僚』も含めて、官邸の力が肥大化している。『官邸』をとりまく『官僚』のあり方が注目されている。『官僚』は『誰かにお仕えする』のではなく、『国民に仕える』のが役目」

・「権力が大きくなりすぎて暴走しないように立法や司法が見張っているのだけれど、今の国会では内閣の与党が多数を占めると、立法も司法も内閣につながってしまう。野党が国会で勢力を伸ばさないと危険な状態。ドイツではかつてワイマール憲法という優れた憲法下にありながら、選挙で『ヒットラー』と言う独裁者を選んでしまった」

・「本当のことを話すと、幸せになれる。本当のことを言わないと、やっぱり苦しいばかり。『佐川事件』なんて言われ方は本当に気の毒。本来はこれは国有地不当払い下げ隠蔽(いんぺい)事件。佐川さんの事件なんて言うのはおかしい」