千曲市の台風19号被害と、ハザードマップの浸水予想地域とされている範囲に多く避難場所があることへの疑問(命と個人の尊厳を求める19アクション、10月19日長野市内) 

信濃毎日新聞10月22日
信濃毎日新聞10月22日

私は千曲市に住んでいます。千曲川からは1.5キロほど離れた場所に家があります。

 

今回の台風では千曲市内でも千曲川の決壊、支流の冠水があり数ヵ所が被害にあいました。

 

夜になってから何回かエリアメールがきました。

避難場所の開放は早い時間からありましたが、私は千曲川のすぐ川沿いに新しい市役所があること、そしてハザードマップの浸水予想地域とされている範囲に多く避難場所があることに疑問に感じていました。

 

もし、市役所近くが決壊したら市役所だけでなく、ことぶきアリーナやあんずホールも浸水するかもしれないのに、そんな場所に避難を呼び掛けるのは危ないのではないか。

 

東信から被害がどんどん出てきて、友達とのSNSでのやり取りでそれは明らかでした。しかしエリアメールでは他の地域から被害が出ていることはまだ分からない。

 

私はインターネットを使えたので知り合いと情報を交わしながら、河川敷のライブカメラを何度も確認し、これはとてもではないけれど川の近くの避難場所に行くことはできないと判断しました。

けれど、そういった環境にない人は、どうするのでしょうか。

特にお年寄りは、テレビやラジオ、市の防災無線などでしか情報を取れません。

 

夜になってから防災無線を聞き、風や雨の強い中、避難場所へ向かうことの危険さ、そして、避難場所が冠水しているかもしれないという問題。

現に千曲市役所の周辺は支流の冠水でひどい状況でした。あんずホールも地下と一階が浸水。

道路が通れず、市役所へ土嚢を取りに来た消防が取りに行けないという事態もあったようです。

ハザードマップでは、市役所周辺地域で言えば国道18号線より東側が浸水予想地域から外れます。

広いから、ということだけで避難場所を決めず、確実に被害から遠ざかれる場所から避難場所を開放することや、避難場所を見直すこと、市役所に備蓄を集中しないこと、災害本部を川から離れた場所に置くことなどが今後千曲市の課題として上げられるかと思います。

 

行政は、多くの市民に的確な情報を流せること、そして被害が出た際に迅速に動けることが重要です。

地震などはまた必要なことが変わるでしょう。しかし今回の台風で千曲川はどの場所で決壊してもおかしくないということが証明されました。

 

次が何年先に来るかはもはや誰にも分かりません。

市は今回の被害への対応に今は追われていますが、今後を考え必ず動いてほしいと思いますし、市民の声として届けて行きたいと思います。