菅政権が発足して一ヶ月となりました。菅義偉新首相の強権的で危険な姿が浮きぼりになっています。
日本学術会議の人事に対して菅首相が介入し、新会員候補105人のうち6人の任命を拒否した事態は、大きな問題に発展しています。学術会議が推薦した候補が任命されなかったことは過去に例がなく、今回の任命拒否は憲法23条の「学問の自由」を脅かし、日本学術会議法にも反する、憲法違反、法律違反の暴挙です。これは、任命拒否された6名だけの問題ではなく、日本学術会議全体の問題であるとともに、学問の自由と国民の権利の侵害であり、すべての国民にとっての重大問題です。
任命拒否された6人は、特定秘密保護法や安全保障法制、共謀罪法をめぐって安倍政権を批判してきた経緯があります。政治判断での任命拒否は、学問の自由を侵し、思想や言論の統制につながる危うさをはらみ、異論を徹底して排除する菅政権の強権体質の現れです。
学問研究が権力の干渉や弾圧にさらされ、ゆがめられた歴史を繰り返すわけにはいきません。憲法が21条「表現の自由」や19条「思想・良心の自由」とは別に条文を置き、学問の自由を保障している意味もそこにあります。
学問の自由、表現の自由、思想・良心の自由を守る手段として考え出されたのが「大学の自治」です。学問研究の場として大学というコミュニティーが果たしてきた役割を踏まえ、学長や教授らの人事は大学に委ねるという考え方です。日本学術会議は、大学と同じように学者集団でつくるコミュニティーで、大学よりも広い範囲で「学術の進歩に寄与する」場として想定されています。今回のような、とりわけ理由を明らかにしない会員の任命拒否は、日本学術会議の自律性の否定にあたり、政治介入そのものです。「学問の自由」の精神とはおよそ相いれません。
学術会議は戦後の1949年、戦前の学術研究会議を改組する形で発足しました。戦時下に学問研究が厳しく統制、弾圧され、科学が戦争に動員された反省を踏まえ、政府から独立した立場で政策や学術研究に関わる提言をしてきました。
日本学術会議は、国内の研究者を代表する機関として政治権力からの独立が何より重んじられなければなりません。政府が任命権限や監督権を振りかざして介入することは認められません。
菅政権は、安倍政権以来、官房長官として内閣人事局を通じての官僚支配や様々な脅しを通じてのマスコミ統制に続き、総理になったら学術会議も政府の意のまましてしまおうというのでしょうか。
菅政権は、学術会議を「行政改革」の対象にすると言い始めていますが、これは卑劣な論点そらしであり、恫喝です
政府の強権的な任命拒否に強く抗議します。菅首相の任命拒否の真相の説明と任命を拒否した会員候補6氏全員の任命を求めます。
2020年10月19日 憲法かえるのやだネット長野、信州レッドアクション、ママは戦争しないと決めた実行委員会
長野市での毎月19日の街頭行動。#学術会議への政治介入に抗議する 政府の強権的な任命拒否に強く抗議します。菅首相の任命拒否の真相の説明と任命を拒否した会員候補6氏全員の任命を求めます。
— 憲法かえるのやだネット長野 (@yadanetnagano) October 19, 2020
コロナ禍での「教育を受ける権利」と教育の機会の保障も訴え、杉田議員の暴言にも抗議しました。 pic.twitter.com/3jV6ezs4Yq