立憲主義を取り戻し、一人一人の幸せが共有できる政治を

憲法カフェ「そもそも立憲主義ってなに?」(12月2日、長野市)

一般国民が法律を守るように、政治家や官僚などの権力者は、憲法を守らなければいけません。憲法は国家としての根本的なルールであり、法律とは社会の秩序を守るための憲法にもとづくルールだからです。

憲法は権力をしばるもので国民をしばるものではありませんが、1つ、憲法が私たち国民にしなさいと言っていることがあります。権力を縛る憲法を不断の努力で守りなさい。ということです。

 

権力が憲法を違反したとき注意するのは、私たち国民一人一人です。

ですから、現在の安倍政権の暴走を見逃すわけにはいきませんし、憲法を学び、監視しなくてはなりません。政治家や企業のモラルが低下し、世の中が乱れている原因の一つは、憲法を踏みにじったり、無視しているからです。もっと好き勝手にふるまいたいために、憲法を変えたくてしかたがないのです。

 

今憲法9条の2項は残して自衛隊を明記するという話が出ています。2013年につくられた自民党の憲法改正草案には9条に「国防軍を保持する」としています。憲法9条を変えることについては昔から国民の反対が強い問題ですが、「自衛隊」は「国防軍」ではないからいいのでは、と思う人がいるかもしれません。

 

しかし、安倍自公政権がゴリ押しした、憲法違反の安保法制によって集団的自衛権を認め、自衛隊は海外で戦えるようになっています。「国防軍」というものに名前が変わらなくても、「自衛隊」という名の「軍隊」として海外派兵や武力行使が合憲的に行われるようになります。法律の世界では「後から作った法律は、前の法律に優先する」ことが一般原則とされます。今までの9条2項は自衛隊の明記に優先され、無いに等しくなります。

自衛隊員の命は9条によって護られてきました。安倍首相や日本会議のいう、自衛隊の名誉のために9条に明記する、というのは自衛隊員の命とひきかえにするということになります。自衛隊員の命と名誉、どっちが大切でしょうか。私たちは、自衛隊員が海外で戦闘に加わり命を落とすことを望んでいません。

 

いまの憲法は、個人の幸福のための、個人の尊厳を守るための、政治をしなさい、法律をつくりなさいと決めています。そのために、「国民主権」があり、「基本的人権」があり、「平和主義」があります。安倍内閣の人たちは、『北朝鮮のミサイルや核をどう思うか』という点から議論を起こし、危機感を煽って戦争のムード、改憲ムードを高めようとしていますが、憲法の精神に立つならば、国民の命を第一に考え、戦争を起こさないように平和的解決を求めることこそ、日本の政治、外交のありかただと思います。

 

憲法を身近に感じることで、生活が変わると思います。物のミカタが変わると思います。モット自由に生きられるようになると思います。

私は、戦争をしたくありません。誰の子どもも、大切な人も傷ついてほしくありません。

武力では、憎しみしか生まれません。命があるから明日がある、夢が持てる、希望が持てる。

私は、今日より明日、明日より明後日、幸せになりたいと思います。

そのためにも私たち国民の事を、国民の命を大切にする政治を求めます。憲法を守る政治を求めます。

私は立憲主義を取り戻し、一人一人の幸せが共有できる政治を求めます。力いっぱい声を上げ続けたいと思います。

(八重田景子さん、長野市・市民と野党の12・19アクション)