虚言にはシッポがある(児童文学作家・和田登さんのメッセージ)

最近、文章を書きながら、またしゃべりながら、意識的に避けている言葉があります。丁寧に、しっかりと、真摯(しんし)にといった一群の語彙です。ここまで言うと、みなさんは、ああ虚言癖のあの日本の権力者の言葉だと気づかれるでしょう。

戦後、言葉がこんなに汚れて軽くなっている時代はありませんでした。

安倍総理は、虚言にはシッポがついていることを知らないと見えます。けれど森友学園問題についての発言にしろ、加計(かけ)学園問題に関する発言にしろ、虚言のシッポが見え見えになってきているから、国民も黙ってはいられなくなりました。隠ぺいしてもシッポが見えてしまうのです。

東京都議選は予想通りに安倍総理率いる党は惨敗しました。これから焦る安倍政権は、シッポの怖さに気づいてからも、自由・民主主義の国の党であることを無視して、恥ずかしい走りを続けるでしょう。これでは本当の保守党と違うなと、党内の良識派が相当に決起して動かない限りこの党は沈没します。

何しろ選挙終盤になると、自分たちの側の憲法上問題視される失言等についてメディアがいちいち大きく報道しすぎるからと、幹部は苦戦に怒りをあらわにしました。

私たちにとってメディアは生命の息づく場です。戦前はこれを抑えられてしまったがために、日本は地獄へと落ちました。「あの戦争はアジアを解放するために行ったんだ」との歴史認識をもつ安倍総理がとなえる「積極的平和主義」にも、虚言のシッポが見えます。

安倍総理は、今回のように、シッポが見られてしまっても憲法に手をつけるのでしょうか?私たちは、直近の民意を国政にも反映させ、その進行を止める必要があります。いまがチャンスです。

 

2017年7月11日 

児童文学作家・和田登(長野駅前・共謀罪を認めない抗議行動へのメッセージ)