前川喜平さんと「親・子・みんなで考える 勉強ってなに?憲法ってなに?」実行委員会のまとめのあいさつ

今日は皆さん、お集まりくださいまして、ありがとうございました。

おかげさまで本会場、第二会場合わせて450人もの方にお集まりいただきました。

 

私は上田市に住む山本と申します。今度小学三年生になる双子を育てる母親です。

今日は実行委員として、また、子育てや教育に悩む一人の母親として、参加させていただきました。

前川さん、今日は本当にお忙しいなかをお越しくださいまして、どうもありがとうございます。

また、司会進行をしてくださった清水まなぶさん、どうもありがとうございました。

 

皆さんは、今日の前川さんのお話を聞いて、希望を感じましたか。

明るい未来を感じましたか。

自分のやりたいことがみつかりましたか。

答えはきっと出ていないと思います。

なぜなら、それが「生きていること、学んでいること」だからです。

 

私たち「前川喜平さんと学びあう会実行委員会」は、長野県内のさまざまな市民グループや子どもの未来を考える団体、母親同士がつながってできたものです。

それぞれがこれまでに子どもの教育について、支援について話しあい、また、今回の実行委員長である岡田和枝弁護士を講師に招いての憲法を学ぶ会なども行い、活動してきました。

その「憲法」と子どもが成長する際に必ずかかわる「勉強」との繋がりについて知りたい、考えたいという声が上がり、この企画に至りました。

 

私はこれまで、憲法を学ぶ機会がありませんでした。

学校では憲法を教えてくれませんでした。

正直、非戦を謳っている憲法9条くらいしか知りませんでした。

けれど、子どもを育てるにあたり最近の社会情勢が気になって、そこから学び始めた憲法には、私たちが自分らしく生きていく、学んでいくことについての基本が描かれているのだということを知り、驚きました。

 

いまの子どもたちをとりまく環境は、一筋縄ではいきません。

「家庭教育」という名のもとに国や自治体が学校や家庭に介入し、また家庭での子育てが難しくなっていき、それも教育現場は受け入れざるを得ず、家庭も学校も息苦しくなっていく…

そんな真ん中にいま、子どもたちはいます。そして私たちはそうでないと子どもを育てられない気がしてしまっています。

 

けれど、憲法から学ぶと、教育も子育ても、まったく違った世界がみえてきます。

 

大人も、子どもも、みんな一人ひとりが自分の思うように自分の道を考えていい。

自分が思うように生きていい。

自分が、いい、やりたい、と思ったことを、縛られず、忖度もせず、のびのびと考えていいのだと。そしてそれが間違った方向にいきそうになった時だけ、他者が軌道修正する。

けれどそこにはお互いを大事に思う、尊重する気持ちがあります。

 

それぞれが、命を大事にし、個人を大事にする、それを学ぶことに大人も子どももありません。

条文だけでない、憲法。

成績だけでない、勉強。

忙しい毎日のなかで、心の真ん中にひとつ、大切なものを私たち全員が共有し、それをまた自分の大事な人に伝えてゆく、それだけで、社会はよりよく変化していくのではないかと、思っています。